「最低賃金」をご存知でしょうか。

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。

厚生労働省の審議会が開催され、今年度の最低賃金が時給で５０円引き上げる目安であると決着しました。
物価の上昇が続いていることなどを踏まえ、過去最大の引き上げとなります。
この引き上げにより、全国平均の時給は1,054円となります。
今回の目安をもとに、今後都道府県ごとに審議会で労使の話し合いが行われ、各地の最低賃金が決まり、10月以降、順次適用される予定となっています。

今回、最低賃金について改めてご紹介させていただきます。

●最低賃金の種類●
最低賃金には、「地域別」最低賃金と「特定」最低賃金があります。

・地域別最低賃金は、都道府県ごとに定められており、事業所の所在地がある都道府県の賃金が適用されます。仕事の種類に関係なく、全ての労働者に対して適用されます。

・特定　最低賃金は、特定地域内の特定の産業で働く労働者に適用されます。
【  具体的にはコチラ（厚生労働省HP）→　minimum-19.pdf (mhlw.go.jp)　】

※地域別・特定の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
※派遣労働者には、派遣先の最低賃金が適用されます。

●最低賃金の対象となる賃金●
毎月支払われる基本的な賃金が、最低賃金の対象となります。
具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
(1)　臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)　賞与
(3)　時間外割増賃金
(4)　休日割増賃金
(5)　深夜割増賃金
(6)　精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

（厚生労働省HPより）

厚生労働省の最低賃金特設サイトから、最低賃金のチェックができます。
一度、確認してみましょう。↓↓↓
あなたの賃金を比較チェック｜最低賃金制度 (mhlw.go.jp)

●まとめ●
最低賃金は、毎年10月に改定されます。

最低賃金法には、「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす」とあります。
もし使用者が、労働者に最低賃金未満の賃金しか支払ってない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。
最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は、最低賃金法に罰則が定められており、50万円以下（特定最低賃金の場合は30万円以下）の罰金に処せられることがあります。

使用者は、最低賃金のルールを守るようにしましょう。
労働者も、改めて自分の賃金が最低賃金を上回っているか確認するようにしましょう。

参考サイト（厚生労働省　最低賃金特設サイト）
あなたの賃金を比較チェック｜最低賃金制度 (mhlw.go.jp)